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肉腫(サルコーマ)について

サルコーマは、全身の骨や軟部組織(脂肪、筋肉、神経等)から発生する悪性腫瘍の総称です。英語ではSarcoma(サルコーマ)、日本語では肉腫と呼ばれます。

サルコーマが発生する部位・組織は、骨や軟部組織、体幹、後腹部、子宮肉腫など様々です。その特徴は、その「多様性」と「希少性」にあります。例えば胃がんや肺がんなどの上皮性悪性腫瘍に比べると肉腫の発生頻度は極めて低く、悪性腫瘍全体を100とすれば、サルコーマが占める割合は約1%に過ぎません。

このように至極珍しいがん種であるにも関わらず、若年者から高齢者まで幅広い年齢層の患者さんの全身のさまざまな部位・組織から生じるため、その症状や必要とされる治療、治療効果も多様となっています。

このような特徴から、専門施設でない場合、しばしばその診断や治療に難渋し適切な治療を行うことが困難なことも少なくありません。

肉腫(サルコーマ)が発生する部位

骨の肉腫は、主に骨肉腫・軟骨肉腫・ユーイング肉腫(ユーイング肉腫ファミリー腫瘍)に大別されます。

  • 骨肉腫は、10~20歳代の若年者の膝や肩の周囲に発生する事が多く、その治療法は抗癌剤治療と手術で、放射線治療はあまり効果がないとされています。
  • 軟骨肉腫は、主に40歳以上の比較的高齢の人に発症します。好発部位は大腿骨、骨盤、上腕骨です。治療法は基本的に手術が中心となり、抗がん剤や放射線治療は効果が乏しいとされています。
  • ユーイング肉腫は、主に20歳以下の若年者に見られますが高齢者にも発生することがあります。好発部位は、大腿骨・骨盤骨・脊椎などです。治療法は抗がん剤治療と手術を組み合わせたものが中心ですが、放射線の感受性が比較的高い腫瘍であるため、脊椎や骨盤に発生して切除不能の場合には、放射線を照射する場合もあります。

軟部組織

軟部肉腫は、その約40%が四肢に発生します。とりわけ下肢に発生する頻度が高く、好発年齢にも特徴があります。

治療法は手術が基本で、局所再発の可能性をできるだけなくすため、腫瘍の周りの健常な組織までを含めて切除することが必要とされています。

ただ切除範囲は腫瘍の種類や悪性度で異なります。腫瘍が重要な血管や神経に接していて、十分な切除縁がとれない場合は、手術前に全身化学療法や放射線治療を行い、腫瘍を小さくしてから行うこともあります。

体幹・体表

肉腫は四肢以外にも胸壁や腹壁、脊椎、肋骨、骨盤などからも発生します。このような体幹や体表に発生する肉腫は余裕のある十分な切除が行えないため再発が多く、再発後の成績も不良とされています。

後腹膜

後腹膜は「腹膜の外側」を指し、「後腹膜肉腫」という名称は、あくまでも後腹膜に発生した肉腫を指す総称です。一般に、後腹膜肉腫に関する治療は、まず外科手術が可能か否かを検討します。

再発・転移の場合は、手術が有効であるか否かは状況によって異なり、抗がん剤治療や放射線治療といった治療方法も視野に入れ、治療計画を立てていきます。

子宮

子宮肉腫は、がん肉腫・平滑筋肉腫・内膜間質肉腫の3つに大別されます。

  • がん肉腫は、腫瘍病態的に子宮体がんと類似した腫瘍とされています。
  • 平滑筋肉腫は術前診断が難しく、「子宮筋腫」として治療され、子宮摘出、あるいは筋腫摘出により初めて診断されることも少なくありません。
  • 子宮内膜間質肉腫は、平滑筋肉腫と同様に術前診断が難しく、筋腫や腺筋症として摘出されてからその診断がつくことも多い。

子宮肉腫は、肉腫の種類や病期などにより選択肢が異なりますが、一般に手術や抗がん剤やホルモン剤を用いた薬物療法が用いられます。 いずれにしても、婦人科の肉腫は希少であるため症例が少なく、治療法が十分に確立されていないのが現状です。

注目されるサルコーマ治療の第4の選択肢

サルコーマ(肉腫)は、当クリニックでも決して症例が多い癌腫ではありませんが、それでも他の癌腫同様、進行性のサルコーマに対しても当クリニックのDCワクチンで奏功したケースが複数あります。

免疫療法以外の治療に関しては標準的な治療の場合、保険診療となります。当院で実施はできません。
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