子宮頸癌ワクチン賛成派の意見
- 人類初の癌予防ワクチンとして期待されています。
- 子宮頸癌は、世界で4番目に多い女性の癌です。子宮頸癌の死亡者数は34万人います。
- 日本でも子宮頸癌は増加傾向です。
- 日本人の子宮頸癌ワクチン接種率は7.1%と低く、アメリカ61.4%、フランス34.7%、イギリス82.8% ドイツ47.2%等と比べるとワクチン接種が遅れているとWHOから指摘され、厚生労働省や婦人科学会などがワクチン接種の推奨のため動いています。
- 医師である私の子供はワクチン接種を受けています。
子宮頸癌ワクチン反対派の意見
- 日本では子宮頸癌は12番目の癌です。(2019年)乳癌の約10分の1です。1年間に2887人(2020年)が子宮頸癌で亡くなっています。
- 世界でも低所得者の多い南アフリカでの子宮頸癌患者数は人口10万人当たり43人と多く、日本は衛生面が良いのもあり人口10万人当たり15人です。
- パピローマウイルスは女性が生涯の中で約80%が感染し、ワクチンを打たなくても90%の人は治す免疫を持っています。ワクチン接種にて95%の人がパピローマウイルス感染症を予防できるという結果は、感染後自然治癒できない10%を5%に減らせているだけです。
- 症例対象研究では、喫煙者は非喫煙者に比べて2.03倍子宮頸癌になりやすいというデータがあります。ワクチン接種と禁煙は同じぐらいの効果しかありません。
- そもそもパピローマウイルスは性感染症です。リスクの高い性的行動をせず、禁煙をすることが副作用のあるワクチン接種よりも優先するべきことではないでしょうか?
- 9価ワクチン3回接種で8万円程度費用が必要で、10万人に接種すると80億円、10万人中の15人のうち、7.5人がウイルス感染しないで自分の免疫で発癌を予防できます。単純計算で一人の癌を予防するのに10億円かかることになります。製薬会社は相当な売り上げになります。
- 2022年から、デンマークのデータによるとHPVワクチンキャッチアップ接種の中で20歳以上接種には予防効果に疑問が残るとされています。アメリカでは21歳以上、日本ではOnukiらの報告で19歳以上ではHPV16/19が35.7%の感染しており、ワクチン効果に疑問があることを指摘しています。
医師としての考え方
子宮頸癌の患者は30歳代の主婦が多く、働き盛りの夫・小さなこどもたち・そして両親と多くの家族の生活が治療の影響を受け、治療も手術、抗癌剤、放射線治療の副作用や後遺症で本人と家族を苦しめます。
医師としては子宮頚癌を撲滅したいという気持ちが強いです。しかし、細かくみると子宮頸癌の中で最悪な経過を辿る症例は、非パピローマウイルス感染者の癌であることが多く、最悪な癌をワクチンで減らせているかは疑問に残ります。
ワクチンの議論はつきませんが、ワクチンを打ったことで癌を予防できたと実感することはできません。しかしこれから多くの人がワクチンの効果のお陰で癌を予防できるということは確かなことです。
加藤洋一