品質管理と治療の安全性

はじめに

当院は先端の医療を行うクリニックとして、治療安全性を確保すること・治療で扱う免疫細胞の品質を安定させることを堅持するため、2014年11月より施行された再生治療等安全性確保法に順守し、基準作りから細胞培養室の管理・細胞培養の方法と使用する製品の安全性・安定性の確保・必要な報告・倫理委員会・認定再生医療等委員会の答申に対応し、2015年10月に特定細胞加工物製造事業者の届け出が受理されました。

今後も、厚生労働省の指針に沿って安全・品質・コンプライアンスを継続していけるように努めていきます。

品質管理

当院は細胞培養室(CPC:Cell Processing Center)をクリニック内に完備しており、採血した血液をいち早く培養を開始できるように設計されています。

細胞培養室は細胞培養室、細胞培養前室、クリーンルームがあり、その中にアイソレーター(パナソニック製:旧サンヨー)とインキュベーター3台(パナソニック製:旧サンヨー)があります。

さらにクリーンルーム内に2室のクリーンルームがあり、各々部屋に安全キャビネットと細胞培養機を設置しています。

3名の細胞培養師が同時に同じ空間で作業しないように設計しているため、万が一事故が発生しても他の患者様の製品に影響を与えず、さらに培養師が患者さま一人分の作業で入室し、終了で退出することで取り違えのミスを無くす効果もあります。培養室内の製品はバーコード化し管理しています。

細胞培養液など細胞培養に安定化に不可欠な製品はクリニック内、日本国内の薬品会社、米国の製造メーカーに1年分の在庫を確保し、製品のロットを管理することで最も良い条件で細胞培養をしています。

製品の安全性

医療法の医療安全の確保に従い、治療方法や治療期間を患者さま、ご家族さまに明確に説明し、CT検査などの画像診断、腫瘍マーカーや免疫学的指数を分かりやすい指標と数値で事後評価、発熱や発赤など有害事象に対する説明、病状の悪化時の対処法など双方ともに病気と患者さんの病態を理解し、誤解のないように治療を進めて緊急時には当院から他の病院に情報提供して早期処置ができる環境を提供いたします。

医師法に遵守し採血や処置、検査等の医療行為に関しては有資格者であり経験が十分であると医師が判断した者が医師の指導により行います。

また、治験・先進医療に関しては、妥当性・安全性を確保するために倫理委員会での答申を遵守し行います。

当院の治療の一部(樹状細胞がんワクチン・活性化リンパ球療法・NK細胞療法)は、再生医療等安全確保法の範疇です。

2015年10月に申請書類が受理されており、今後毎年の報告をすることとなっています。

樹状細胞がんワクチン療法

樹状細胞がんワクチは、癌免疫の司令塔の役割をする樹状細胞を単球から培養し、癌情報としてがんペプチドワクチンを使用、樹状細胞に記憶させた状態で製品化しています。

それを皮膚に接種し、リンパ管を経由してリンパ節内でリンパ球と接触させ癌情報を伝達します。

その後、リンパ球は癌細胞まで遊走して癌細胞を攻撃することで、癌が縮小します。

活性化リンパ球療法

活性化リンパ球療法は、癌細胞を攻撃する最強で最多の免疫細胞です。

進行がんの患者さんでは末梢血のリンパ球数が低下していることが多く、体内のリンパ球の不足により癌免疫が低下しています。

この治療は、末梢血の少量のリンパ球を培養して大量に増やし活性化させて癌を攻撃できる状態にしてから、点滴で体内に戻す治療です。他人でなく自分のリンパ球を増やし自己血を輸血してリンパ球の貧血を治療することで、健康な人と同じ免疫力まで回復する治療です。

樹状細胞とリンパ球は連携して働くため、樹状細胞がんワクチン療法に活性化リンパ球療法を併用することで相乗効果が期待できます。また、抗がん剤や放射線治療ではリンパ球数が低下するため、副作用の対策として免疫低下を防ぎます。

NK細胞療法(ナチュラルキラー細胞療法)

NK細胞療法は、ナチュラルキラー細胞を使用した治療です。

従来のリンパ球を増やし活性化するだけの培養法でなく、NK細胞だけを選択的に培養して刺激するため、NK細胞固有の抗体を使用し固有の細胞増殖因子を使用することで質と量ともに桁違いの性能を有しています。