癌と戦う免疫生活

癌と戦うのに必要な免疫力とは4つの戦略!

免疫戦略その1の画像
免疫戦略その2の画像

癌の免疫力は、

  • 体温
  • 運動
  • 免疫細胞数
  • 抗原提示力(癌を見つける力)

の4つの因子に分けられます。4つのすべてが上手くいかないと癌細胞を体から排除することができません。4つのがん免疫力について解説します。

体温

体温とがん免疫力

体温その1の画像
体温その2の画像

免疫細胞は、37.0~37.5℃で最も戦闘力が高くなります。体温が36℃では、休止状態です。36.5℃より目覚め、37~37.5℃で最も働き、38℃では熱でへろへろです。

体温を上げる生活習慣とは

体温があがる時間の画像

体温を上げるのは、がん免疫が活発になる夕方以降がベストです。一日中体温を上げると疲れてしまいます。

  1. 冷え性の人は、漢方薬やショウガなどのサプリメントでベースを上げましょう。
  2. 運動をして筋肉を使うことで体温があがります。運動の量は1日30分程度の少し速歩きの散歩で十分です。少し汗がでる程度が目安になります。
  3. お酢・お酒・サプリメントで肝臓の代謝を上げることで体温を上げます。お酢は酢酸の量で30ml程度、お酒は1合程度、サプリメントは、ショウガ・高麗人参・黒酢などを含んでいるものがおすすめです。
  4. 入浴は、下半身浴や低めの温度39℃から41℃の温度で、入浴時間は15分前後で額から汗をたくさんかかない程度が目安です。入浴後に汗がたさん出ると体温が下がってしまいます。
  5. 一番大切なのは、夜の8~10時には就寝することです。

運動

運動でリンパの流れを速くする

リンパ液の流れの画像

リンパ液は、心臓から動脈を通って、手足の先まで血液の中の成分として運ばれます。

手足の先の皮膚や皮下などを末梢と呼んでいますが、その末梢血管から血管の外に出て、細胞の隙間に新しい水分や栄養などを運びます。

そして細胞に溜まった老廃物などを動脈の逆方向に動脈に沿って走るリンパ管やリンパ節を通って心臓に近い静脈から血管の中に入り、腎臓など老廃物は多くは尿として排泄されます。

軽い運動でリンパの流れを良くする

関節を動かす

肩・股関節・膝を動かすことで、リンパ節の流れが良くなります。

リンパ球数

免疫力を上げるにはリンパ球がたくさん必要

血液検査のリンパ球数と全身のリンパ球の量

血液検査でリンパ球数が測定できます。リンパ球は、胃腸、肺、肝臓など内臓に多く分布しています。

骨髄で作られたリンパ球はリンパ球で貯蔵されたり、内臓にも貯蔵されます。リンパ球が癌、細菌、ウイルスと戦い減った場合、血管の中から内臓やリンパ節に補充されます。血管の中のリンパ球数が減ることは、リンパ節や内臓のリンパ球が減っていることを意味します。

血液中の抹消血リンパ球数と体内のリンパ球数は相関します。

リンパ球数と免疫力と元気度

リンパ球数と元気度の画像

リンパ球数が3000個/μL以上ある人は、元気いっぱいの人です。人にはやたら元気がいい人がいます。これらの人のリンパ球数を調べたら、案の定リンパ球が3000~4000、最高で5000以上あります。

癌家系の人のリンパ球数は家族みんな1200程度が多く、ステージ3期・4期の患者さんは、リンパ球数がやはり1200前後なことが多いです。

また、抗癌剤治療によってリンパ球数が1000未満になると抗癌剤が効かなくなったり、放射線治療も効きにくいという話があります。

リンパ球数と年齢と発癌率

リンパ球数と年齢と発癌率の画像

リンパ球数は個人差が大きいです。多い人は、リンパ球数が3000個ほどで、少ない人で1000個ほどです。

多い人は元気で免疫が高く、少ない人は身体が弱く免疫が低いです。

年齢とともにリンパ球数は少なくなりますが、元気な人でも急に減ったり、低い人でも減らなかったり増えたりします。しかし、平均値では70歳代になると急速に減り癌になる可能性も上がってしまいます。だからこそ、高齢になってもリンパ球数を高く保つことで癌になっても癌を進行させない身体を作ることが必要です。

リンパ球の働き
リンパ球の働きの画像

リンパ球の働きは外敵の癌・ウイルスと一部の細菌を攻撃し、撃退します。リンパ球は従来、癌やウイルス、細菌を見つけるとすぐに攻撃すると考えられてきましたが、獲得免疫の免疫細胞なので、初回に関しては攻撃しません。

リンパ球は、初回は外敵に対して樹状細胞の指示があってはじめて攻撃します。その後に免疫を記憶するため、2回目以降は、すぐに攻撃を開始します。

リンパ球が病気になると

悪性リンパ腫・白血病

悪性リンパ腫・白血病の画像

リンパ球が癌化することで、悪性リンパ腫や白血病を発症します。

リウマチ

リウマチの画像

リンパ球が間違えて自己の正常細胞を攻撃すると、リウマチや膠原病になります。

エイズ

エイズの画像

エイズという病気は、リンパ球がエイズウイルスに感染して壊れてしまうため、様々な病状を発症します。

リンパ球が病気になると、様々な障害がでます。リンパ球が癌化すると悪性リンパ腫や白血病になります。リンパ球の中の免疫抑制細胞が増えるとリウマチなど膠原病になります。

また、リンパ球にウイルスが感染して壊れてしまうとAIDS(エイズ)を発症します。リンパ球は、癌、ウイルス、細菌などから体を守り、リンパ球が病気になると重い病気になります。リンパ球が正常に働くことが健康にとってとても重要なことです。

リンパ球を増やす食事

リンパ球を増やす食事の画像

リンパ球を増やす食事法は、まずは十分なタンパク、ビタミン、ミネラル(微量元素)、魚の油(EPA・DHA)が必要です。また、炎症を起こすとリンパ球の消費が進むため、抗炎症物質のビタミン、ファイトケミカルも効果的です。

一番重要なのは、リンパ球数と血液中の蛋白量のアルブミンが比例することです。タンパク質が多い程、リンパ球数が増えます。タンパク質は、大豆などの豆類に多く、大豆にはビタミンやミネラルも豊富です。豆乳、豆腐、味噌など大豆製品、肉の赤身も魚もタンパク質が多いので、血液中の蛋白質を増やすのにとてもよいです。

また、炎症を起こすとアルブミンから抗炎症物質のCRPが作られるため蛋白が消費されます。

  1. 蛋白質を多くとること
  2. 炎症を抑えること

がリンパ球数を増やすことで重要になります。

また、ビタミン、ミネラル、EPA、DHAが不足するとリンパ球が作れなくなるため補給が必要です。後者はリンパ球を増やす成分というよりは、必要な成分のためサプリメントでビタミン、ミネラル、EPA、DHAを多くとることでリンパ球を増やすことはできせん。

リンパ球を増やす治療

リンパ球を増やす治療の画像

血液中のリンパ球数を増やすには、患者さんの血液を約10ml採血し、遠心分離して濃縮後、約200mlのリンパ球溶液にして、約1時間で点滴します。

投与後2日後には血液中のリンパ球数は約500個/μL増え、その後内臓やリンパ節に分布し、2週間後には約200個/μL治療前より増えた状態になります。

活性化リンパ球の仕組みとはのページへ