樹状細胞療法について

樹状細胞とは

樹状細胞は、2011年にノーベル生理学・医学賞を授与されたアメリカの研究者、スタインマン博士が1973年に発見しました。

樹状細胞は、少ない量で癌やウイルスの情報をリンパ球に伝え、癌とウイルスを排除させます。博士自身が膵臓がんを発症し、自ら発見した樹状細胞を使った樹状細胞療法を受け、4年程度生存したと言われています。

当時膵臓がんは、手術できないと余命半年程度でした。

樹状細胞療法とは

樹状細胞がんワクチンの仕組み

樹状細胞がんワクチンの仕組み

樹状細胞療法は、がん抗原(がんペプチド)を細胞表面の目標としてリンパ球にがん細胞を攻撃させる免疫療法です。

ライセートDC療法と樹状細胞がんワクチンの違い

がん抗原は、①がんペプチド(合成がん抗原)または、②ライセート(手術切除癌の溶解蛋白)を使用します。

樹状細胞は血液中の単球を採取し、1週間程度培養すると樹状細胞に成長します。この樹状細胞に①がんペプチドまたは②ライセートを使って癌情報を取り込ませます。こうして出来上がったのが樹状細胞ワクチンです。

これを隔週に5回~7回接種することで治療効果が得られます。

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樹状細胞療法に必要な血液検査

  • がんペプチドワクチン適合検査
  • 感染症検査
  • 単球数測定
  • リンパ球数検査
  • 癌の増殖スピードの測定
  • 癌の量の測定
  • 治療効果を判定
  • 全身状態の検査
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アフェレーシス(成分採血)

単球の採取は、3時間掛けて4Lの血液を処理し、単球という白血球の一種を含む成分を採血(アフェレーシス)します。

単球を1週間培養し、未熟樹状細胞(癌情報を記憶していない樹状細胞)に成長させます。

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樹状細胞がんワクチンの適応

適応は、対象年齢は14歳~100歳までとなります。

体重は35kg以上110kg未満、末梢血単球数は200個/μL以上、発熱がないこと、治療されていない感染症があること、癌種に関してはほぼすべての癌を対象にしていますが、稀な癌腫の場合、論文等でWT1などがんペプチドの発現が50%以上あるかたが適応となります。

また、患者さんの手術標本を免疫染色し、WT1等の発現が確認できた場合、樹状細胞がんワクチンは現在治療中の抗癌剤治療や放射線治療と併用することも可能です。

ご本人やご家族の希望により治療中の病院の医師と連絡をとって行うこともできます。

また、ご希望の病院や当院が薦める病院への転院、当院の近くの病院で入院しながら治療を受けたいなどのご要望を往診の形でご対応しております。 実際に治療をする場合にこの点が一番本人と家族にとっての負担になります。 これらの提携病院等との連携が強いのが当院の特徴となっています。

樹状細胞がんワクチンの接種部位

樹状細胞がんワクチンの接種部位は、身体の動脈が触れる部分の皮膚にワクチンを接種します。リンパ液は、手足や頭の先から心臓に向かって流れています。

そして、動脈付近のリンパの流れが速く、また、動脈の周囲に樹状細胞が入るリンパ節多いことなどから、動脈の触れる鎖骨上部、腋窩部、鼠径部と癌の上流にワクチンを接種します。

樹状細胞がんワクチンの接種部位(がんの部位により、投与量と接種部位が異なります。)


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治療の流れ

樹状細胞がんワクチン治療の流れ

樹状細胞がんワクチンの治療回数と期間は、隔週で5回が基本となります。 再発予防では、月に1回、進行の速い癌では7日または10日間隔で治療することもあります。

5回の治療後に免疫検査でワクチン化を評価し、その後の効果維持治療としてピシバニールなどの刺激剤を隔週で投与する場合、末梢血リンパ球数が少ない時は、活性化リンパ球療法をはじめることもあります。

通常、5回のワクチン接種で残りのワクチンがつくれた場合は、3か月後、6か月後、9か月後にブーストとして接種します。

治療回数は患者様の状態や目的、癌の進行速度や癌腫によって変わりますので、必ずとも上記の例とは異なる場合があります。

樹状細胞がんワクチンの安全性と副作用

安全性

樹状細胞がんワクチンの安全性は、成分採血(アフェレーシス)では血管迷走神経反射・脱血による血圧低下・低カルシウム血症・採血中の体温低下・血小板減少・出血などの有害事象を想定して対策しているため、600例以上の経験から再生治療等安全に関する法律で届け出した基準の報告に該当する事例はなく、これからも有害事象に関して予測し、対策することで事象が発生した場合、迅速に対応できるように努めています。

当院から200mのところに横浜労災病院の救命センターもあり、緊急時の対策として連携を強めています。

副作用

樹状細胞がんワクチンの副作用は皮内投与による接種中の痛みを伴います。 投与後、ツベルクリン反応のような皮膚反応(紅斑、硬結)がほとんどの方で認められます。

2~3cm程度の二重発赤が2日後に最も大きく腫れ、1週間程度で赤みが消えます。反応が強い場合水脹れになり、皮膚硬結が残る場合もあります。

発熱は投与当日から2日程度、約半数に37.5℃以上の発熱を認めます。発熱は一時的なもので当院からお渡しする解熱剤で下がる場合がほとんどです。


樹状細胞療法の費用

樹状細胞療法は、内容によって金額が異なります。下記の料金表はあくまで参考例です。詳細につきましては、当クリニックまでお問い合わせください。

発症予防のための治療
低リスクだった場合 1年間で ¥70,000+税
高リスクだった場合 1年間で ¥1,420,000+税
再発予防のための治療
低リスクだった場合 1年間で ¥140,000+税
高リスクだった場合 1年間で ¥1,620,000+税
進行癌のための治療
3か月で ¥2,460,000~2,710,000+税
高度進行癌・末期癌のための治療
3か月で ¥2,460,000~2,710,000+税
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