GEM単独療法(ジェムザール単独療法)
商品名:ジェムザール 薬品名:ゲムシタビン 略称:GEM
膵臓がんではじめての標準治療
ジェムザールは、膵臓がんの抗癌剤として1995年頃より日本で一般化しましたが、十分な延命は得られていません。
副作用は軽い抗癌剤に分類されますが、膵臓がんの患者さんでは肺癌などに比べると副作用が多いです。
最近では、2番の抗癌剤として使われることが多く、当院では樹状細胞がんワクチンと併用することが多いです。
Kato Index: 4.7 (評価:推奨度低い)
(5未満は、副作用に比べ効果が少ないため、当院での推奨度は低い。)

膵臓がんの肝転移など遠隔転移のあるステージ4B期では、ジェムザール単独を最初に選択することはありますが、最近は他の抗癌剤を選択される場合が多いです。
当院としては、ジェムザール単独または、TS-1と樹状細胞がんワクチン併用を検討します。
高齢者や合併症がある場合に選択されることが多いですが、十分な効果は期待できないため、樹状細胞がんワクチンの単独を検討します。
膵臓がんの局所浸潤のあるステージ4A期は、手術できない場合、ジェムザール単独を選択される場合がありますが、他の治療を勧めることが多くなっています。
当院は、ジェムザール単独または、TS-1と樹状細胞がんワクチン併用を検討します。
膵臓がんの術後再発予防は、ステージ2期ではジェムザール単独は推奨しません。
3期でもTS-1単独が多いです。当院では樹状細胞がんワクチン単独を検討します。
治療のスケジュール
毎週同じ曜日に3週間連続で投与し、1週間休みをとり、4週間で1サイクルとします。

ジェムザール単独のコメント
膵臓がんの代表的な抗癌剤治療ではありますが、もう古い抗癌剤に分類されます。
副作用が比較的軽いと思われていますが、実はグレード3以上の強い副作用もあり、治療の効果も少なく単独の治療としては期待が薄いです。
そのため、TS-1を併用したり、CDDP(シスプラチン)を併用したりするも、副作用が増すだけで効果のプラスは少なく、アブラキサンとの併用も検討されていますが、膵臓がんの2剤併用法は、今のところ推奨できません。
しかし、免疫療法の樹状細胞がんワクチンとの相性はよく、平均生存期間は、手術できない膵臓がんの患者さんで併用することで一般的データの平均生存期間が5.7カ月から16.5カ月に増えます。
(Cancer Immunol Immunother 2014年2月より掲載 私も加入しているJ-SICTのデータです。)
これから標準治療になる時代も近いですが、膵臓がんの進行は速いため、早速の治療開始をご検討が必要です。

